2003年7月29日号(NO.157)    

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花のお産

  我が家の愛犬花がお産をした。わがままな子で子育て大丈夫かと心配していたが、おしっこうんちの世話、授乳としっかり母親をしている。犬は安産だということで、妊婦さんが妊娠5ヶ月めかの戌の日に帯を腹に巻いて安産を祈願する行事がある
 しかし戌が安産というのは大型犬中型犬にはいえるが、小型犬では必ずしも当てはまらない。多くの犬はお産の時子供を自分で取り上げへそのおや胎盤の処理までやってしまう。しかしパグ犬種の場合、平べったい顔のためへその緒をかみ切れず、かならず人間がついてへその緒を切ってあげなければならない。又うちのチワワ犬なんかでは産道が狭いので高い確率で帝王切開になるらしい。
 犬の妊娠期間は65日ということなのでお産の予定日を7月5日頃と考えていた。そこで1週前の6月28日(土曜日)獣医さんにみてもらう。レントゲン検査で3胎入っておりそのうちの1胎の頭が産道ぎりぎりという診断を得る。予定日まで約1週間あるので帝王切開になるかもしれないと覚悟を決める。
 翌29日(日曜日)夕方ソファーに寝転がってテレビを見てたとき、人にくっつきたがる犬なので股の間に入ってき、しばらくじっとしていたが突然奇声を発したり今までみたことのない異常な行動をしはじめた。今にしてみると陣痛で苦しんでいたのだと思う。その後おちついてきたとおもっていたら、何となく左のももがぬれる感じがした。
 これは破水だということで、バスタオ ルの上に横にさせる。おろおろしながら様子を見てると、膜に包まれた白っぽい異様なものが出てきた。子宮脱のようにも見えた。そうしているうちに口のあたりがちらっと見えた。いわゆる逆子で犬では珍しくないとのことらしいのだが、なにぶんにも初めてのことなので、あわてて頭を引っ張ってみたが痛がって母犬が泣くので、軽く頭を左右に回転させる様にしたらうまいぐわいに頭が抜けた。へその緒の処理をするにも器具も何もないので、ミシン糸で縛り裁縫用のはさみで切断をする。体をタオルで拭いたり顔鼻口を拭いてやったら弱い声で泣いてくれた。
 獣医さんからいただいたマニュアルを読んでみると次のお産は15分から60分ぐらいに始まるらしい。器具がないとやりずらいのでモスキート鉗子と絹糸を用意する。最初の子が生まれて約60分後母犬の様子がおかしくなったらもう生まれていて、2回目ともなるとこっちにも少し余裕ができていて、簡単に処置を終える。3胎めは又60分後に生まれたのだが、あれっすこし様子がおかしいかなと見に行ったらすでに生まれていた。確かに最初の子をのぞけば犬は安産だった。
 生下時80から90グラムだったが、約4週で400グラム前後まで成長してきている。子犬のかわいいしぐさを飽きずにみながら、がんばってくれた花に感謝しても感謝しきれない気持ちだ。 (H・S)

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